はじめまして、emです。
最近FODやらTVerやらアマプラやらでドラマ三昧の日々を送っているのですが、その中でまたいい作品を見つけてしまいました。
音楽です。
2019年に公開。原作・大橋裕之×監督・岩井澤健治の楽器に触ったこともない不良学生たちがバンドを組むことから始まる、なんとも青い物語です。あらすじを読むだけでロキノン女子の血が騒ぎます。
アマプラだけでなくU-NEXTとか色々なところで観れるらしい。
原作は大人気漫画。私も買いました。あっという間に読めた。
これ一言で言いますとサブカル好きな皆様にはクリーンヒットではないでしょうか?
※以下、ネタバレあります
キャストは?
注目すべきは豪華声優陣!なんと主役はあの坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)
私、ゆらゆら帝国のファンでありながら・・・坂本慎太郎さんを敬愛しながら・・・この映画のことを知らず2年もすぎてしまいお恥ずかしい限りです・・・
主要キャストは
研二 バンド「古武術」の不良高校生:坂本慎太郎
亜矢 研二の同級生の女子:駒井蓮
太田 研二のバンドメンバー:前野朋哉
朝倉 研二のバンドメンバー:芹澤興人
森田 別バンド「古美術」の少年:平岩紙
大場 研二を敵視する不良:竹中直人
個人的には森田が平岩紙さんだったことが驚きでした。
注目すべきキャラクター
①主人公・研二
やはり彼でしょう。この人、心から愛おしい。
ベースが何かもわからない状態でバンド始めるし、フェスに出るのも即答で決めちゃうし。かと思いきやバンド飽きたとか言うし。でも尻でリズム取ってるし。
気持ちいいほどに動物的。この反射的に言葉を発するような突飛なキャラ、大好き。だって、私にはできないもん。
この淡々としたどことなく掴めない感じは、坂本さんのキャラにも近しいような・・・
この人の発する一言一言にクスリと笑けてしまいます。
この人の雰囲気が映画の全体の雰囲気になっている。
研二は坂本慎太郎でないとできなかったキャラかも。
②古美術・森田
研二と対照的なキャラとして描かれています。
内気ではあるがかなりの音楽マニア。
知識もなく思いつきでバンドを組んだ研二と違って300曲以上の持ち歌があり、家には3万枚ものCDを集め、音楽への情熱は底知れません。
どちらかといえば森田に近しいと言う人は多いのではないでしょうか。
音楽が好きで自分で曲も作って、音楽への感度はビンビン。
森田は多分、努力の男だ。
たとえ音楽をやっていなくても、彼が一喜一憂するところや音楽にのめり込んでいるサマを見ていると、なにか心に触れるものがあるはず。
そんな彼が初めて古武術の演奏を聴いてトリップしたアレも、音楽ファンなら共感しちゃうよね。まさに音楽あるある。
研二と森田、そして古武術と古美術が対照的に描かれることでバンドってなんでもありなんだなという音楽の器量を感じることができます。
見どころ
1 アニメとは思えない登場人物のリアルな動き!
製作期間は約7年超!すべて手描きで作画枚数は4万枚を超えています。
歩くシーンひとつにしてもキャラの人間性が出ている·····こんなアニメ見たことない!
研二の一挙一動が、もう研二でしかないのです。
何なら坂本さんを彷彿とさせるような独特の立ち居振る舞い。
岩井澤監督は実写の動きをトレースするロトスコープという手法を採用していたそうです。
これによりリアルな動きが実現。顔は信じられないくらいデフォルメされてますが。
平坦な絵の中に独特のリアルがあってなんともいえぬ面白さです。
クライマックスの野外フェスシーンにおいては、実際にステージを組みミュージシャンや観客を動員してのライブを敢行したそうで。
個人的にすごいなと思ったのは、オシリペンペンズのドラマーの動き!めちゃめちゃ既視感ある。
そしてスタッフの立ち振る舞い!Tシャツの首元の開き方とかさ、もうそれでしかないよね?なんかニヤついて見てしまう。
とまあこういうふうに何もかもが前代未聞のアニメーションプロジェクトということです。
2 主題歌はドレスコーズ!
主題歌はドレスコーズの書き下ろし「ピーター・アイヴァース」。
その映画の良さを決める要因として、ラストシーンからエンドロールに入る瞬間の余韻は大きいと思うのですが。
このイントロが流れた瞬間、あ〜良い映画だったなと思えました。
志磨遼平さんも原作ファンだったそうですよ。(関係ないけど溺れるナイフの志磨さんの演技良いよね)
3 クライマックスのフェスシーン!
実際のライブ音源が流れています。このご時世、生音に触れていないせいかそれだけでやけに胸が躍ります。
古美術が演奏するシーンは研二が会場に駆けつける姿がエモーショナルに映し出され、絵自体はそんなかっこよくないのにめちゃめちゃかっこいい!
そんな最中に森田はギターのストラップが外れてしまうわけですが、ここにもドラマを感じますね。
ほら音楽とかバンドとかってこんな感じじゃないですか?どんなに盛り上がっていても輝いていても何が起こるか分からないというか・・・そんな比喩のような気がしました。
ちなみにこれ私もやったことがあってですね。私の場合は演奏が止まることはなかったけど非常に焦りました。ストラップピンはちゃんとつけましょうね。
そしてクライマックスの研二の笛と歌声!
基本的に古武術の演奏シーンはドラムのキック音とベース音が刻まれるだけです。
これはどんな演奏かは視聴者にお任せするよと言うことだと思うのですが(いや、あれが完成形?)
めちゃめちゃ良い演奏してんだろうなと思わせられます。
想像することしかできないのに、胸にせまるものがあるから不思議です。
そして研二が最後、泣きながらものすごく良い声で歌います。
ゆら帝ファンならばお気づきでしょうがこれ坂本さんじゃない。
いや一瞬坂本さん?ってなりましたよ。いやでも違う、これ坂本さんじゃない。
でもでも歌だけ他の人に代わるなんてそんなことあるのか?て思うじゃないですか。
結論、そんなことありました。
それは坂本さんではなく岡村靖幸!岡村ちゃんでした!
研二の歌声だけの出演とはなんてスペシャル!エンドロール見て笑いました。
この予告かっこいい、グッとくる!!
こんな人におすすめ
これは是非、音楽が好きな人に見てもらいたい!
バンドっていいよね。音楽っていいよね。ノリでバンド組んでもいいよね。解散したっていいよね。解散したって言葉すらかっこいいもん。平坦な絵にはどことなくリアルなバンドの初期衝動が描かれていました。BECKやソラニンともまた違う、青春の音楽の熱が感じられます。
ロック好きならあるある!と頷きながら。そして自分の青春を思い出しながら。はたまたこんな青春を送ってみたかったとか。そう言うことを思いながらほっこりできる映画です。
ああ、やっぱり音楽って素敵だ!